「MRIで腱板の50%が断裂している」と言われました。手術しかありませんか?——よくある質問です。答えは「断裂の割合だけでは判断できません」です。重要なのは大きさだけでなく、断裂の位置・様相・組織の状態です。
断裂の「割合」より「位置と様相」が重要な理由
| 断裂の種類 | 血流 | 自然修復力 | 非手術治療の有効性 |
|---|---|---|---|
| 関節面側断裂(内側) | 乏しい | 低い | 縫縮術が効果的(物理的修復が必要) |
| 滑液包面側断裂(外側) | 比較的豊富 | 中程度 | 再生注射・リジェネテンが効果的 |
| 層間断裂(腱板の内部) | 最も乏しい | 最も低い | 縫縮術+再生注射の複合が有効 |
骨髄幹細胞療法とは
骨髄幹細胞療法(Bone Marrow Stimulation)は、腸骨(骨盤の骨)から骨髄を採取し、その中に含まれる幹細胞を活性化して腱板修復に使用する治療法です。
- ✓骨髄には多分化能を持つ間葉系幹細胞が含まれている
- ✓間葉系幹細胞は腱・軟骨・骨などに分化する能力がある
- ✓骨髄濃縮液(BMC)として断裂部位に注入する
- ✓幹細胞が断裂部位に定着し、腱板組織として修復される
第4世代再生注射との違い
| 項目 | 第4世代再生注射 | 骨髄幹細胞療法 |
|---|---|---|
| 細胞の使用 | なし(成分のみ) | 自己幹細胞を使用 |
| 採取が必要 | 不要 | 骨髄採取(腸骨)が必要 |
| 効果の強さ | 中〜強 | 強(大きな断裂に特に有効) |
| 適応 | 小〜中程度の断裂 | 中〜大きな断裂・若い患者 |
| 費用 | 相対的に低い | 相対的に高い |
施術の流れ
- ✓ステップ1:骨髄採取(腸骨から15〜20ml)— 局所麻酔下
- ✓ステップ2:骨髄濃縮(遠心分離機で幹細胞を濃縮)
- ✓ステップ3:断裂部位への注入(超音波ガイド下)
- ✓ステップ4:縫縮術を組み合わせる場合は同日施術
- ✓全体の施術時間:約60〜90分
よくある質問
Q1. 骨髄採取は痛いですか?
局所麻酔を使用するため採取中の痛みはほとんどありません。採取後数日間、採取部位が鈍く痛むことがありますが、日常生活への影響はほとんどありません。
Q2. 幹細胞が別の組織になることはありますか?
注入部位の微小環境に従って分化するため、腱板以外の組織になることは極めてまれです。
Q3. 何回受ける必要がありますか?
通常は1〜2回の施術で評価します。効果は3〜6ヶ月かけて現れますので、超音波で経過を観察しながら追加治療の必要性を判断します。
骨髄幹細胞療法の適応を評価します
ご予約はこちら李東奎 院長
延世大学校医学部卒 · 整形外科専門医 · IBSE認定 · 特許4件
かつて手術専門医として活躍し、非手術治療の可能性を追求するために転向。肩手術の限界を自身の経験から痛感し、プラチナムクリニックを設立。著書『肩の痛み 手術より運動』著者。