50代の男性会社員が、3年間にわたって複数のクリニックでステロイド注射を繰り返してきましたが、一向に改善しませんでした。
注射を打つと2〜3週間は楽になります。でもまた痛くなる。もう10回以上打ちました。毎回同じことの繰り返しで、もう効かなくなってきた気がします。
超音波で評価すると:右腱板(棘上筋)の関節面側部分断裂(約55%)、周囲に慢性炎症の所見。ステロイドで炎症は一時的に抑えられていましたが、断裂の修復は全く進んでいませんでした。
この患者様の問題は「注射が効かない」のではなく、「断裂を治さない注射を繰り返していた」ことです。
注射の世代別分類
| 世代 | 主な薬剤・方法 | 作用 | 限界 |
|---|---|---|---|
| 第1世代 | ステロイド注射 | 強力な抗炎症作用 | 修復なし・繰り返しで組織損傷 |
| 第2世代 | ヒアルロン酸注射 | 関節潤滑・軽度の抗炎症 | 腱板修復効果は乏しい |
| 第3世代 | PRP(多血小板血漿) | 成長因子による修復促進 | 効果にばらつきがある |
| 第4世代 | 再生注射(コラーゲン+成長因子+エクソソーム) | 腱板組織の積極的な再生 | 現時点での最高水準 |
第4世代再生注射の成分
| 成分 | 役割 | 効果 |
|---|---|---|
| コラーゲン(1型) | 腱板の主要構成成分 | 腱板の基本構造を補強 |
| IGF-1(インスリン様成長因子1) | 細胞増殖・分化の促進 | 腱細胞の増殖を促す |
| TGF-β(トランスフォーミング成長因子β) | コラーゲン産生の刺激 | 腱板組織のコラーゲン合成を促進 |
| PDGF(血小板由来成長因子) | 細胞遊走・増殖の促進 | 修復細胞を断裂部位に集める |
| bFGF(塩基性線維芽細胞成長因子) | 血管新生・組織修復 | 新しい血管と組織の形成を促進 |
| エクソソーム | 細胞間シグナル伝達 | 周囲の細胞を活性化し修復を統括 |
マイクロフェネストレーションとの相乗効果
第4世代再生注射単独でも効果はありますが、マイクロフェネストレーション(微細穿孔)と組み合わせることで効果が倍増します。断裂部位に微細な穿孔を作製して出血を促し、その環境に再生注射成分を注入することで修復効果が相乗します。
この患者様の治療と経過
縫縮術+第4世代再生注射+マイクロフェネストレーション+リハビリの複合治療を実施しました。
- ✓4週後:「このまま改善が続くの?と疑うほど楽になりました」
- ✓2ヶ月後:夜間痛が消失、腕の上げ下げが痛みなく可能
- ✓4ヶ月後:超音波で断裂が55%→30%に縮小
- ✓6ヶ月後:ほぼ普通の生活。定期フォローへ移行
3年間、毎月ステロイドを打ち続けて変わらなかったのに、たった6ヶ月でこんなに変わるとは思いませんでした。注射にも種類があることを知らなかったです。
よくある質問
Q1. ステロイド注射は悪いのですか?
ステロイドを全否定するわけではありません。炎症が非常に強い急性期には、まず炎症を抑えることが優先されます。問題は「ステロイドだけを繰り返すこと」です。炎症を抑えた後、修復を促す治療に移行することが重要です。
Q2. 第4世代再生注射だけで腱板断裂は治りますか?
断裂の程度によります。小さな部分断裂(30%以下)であれば再生注射単独で改善することがあります。しかし大きな断裂(50%以上)の場合は、縫縮術との組み合わせがより高い効果をもたらします。
Q3. PRP(第3世代)と第4世代はどう違いますか?
PRPは患者様自身の血液を遠心分離して成長因子を濃縮したものです。第4世代再生注射は成分が標準化・最適化されており、より安定した効果が期待できます。
Q4. 何回注射が必要ですか?
断裂の程度によりますが、初回治療として3〜5回(2〜4週間隔)の注射を行い、効果を評価します。その後の追加治療は経過を見て判断します。
Q5. 注射の副作用はありますか?
第4世代再生注射は生体適合性の高い成分を使用しており、ステロイドのような全身的な副作用はほとんどありません。注射部位の一時的な腫れ・痛みが数日続くことがあります。
Q6. 保険は適用されますか?
第4世代再生注射は自由診療(保険適用外)です。詳しくは受診時にご相談ください。
Q7. 注射と縫縮術はどちらが先ですか?
通常は縫縮術で物理的に腱板を修復した後、再生注射で修復を促進するという順序になります。ただし炎症が強い状態では先に抗炎症治療を行います。
Q8. 注射後、すぐに運動してもいいですか?
注射当日〜翌日は安静が必要です。2〜4週間は激しい運動・重い物を持つことは避けてください。
Q9. エクソソームとは何ですか?安全ですか?
エクソソームは細胞が分泌する微小な袋(小胞)で、細胞間の情報伝達を担います。細胞移植と異なり免疫反応が起きにくく、安全性が高いとされています。
Q10. 第4世代再生注射はどこのクリニックでも受けられますか?
現時点では、成分・配合・投与方法はクリニックによって異なります。プラチナムクリニックでは、院長が自ら研究・最適化した配合を使用しています。
あなたの断裂に合った注射治療を提案します
ご予約はこちら李東奎 院長
延世大学校医学部卒 · 整形外科専門医 · IBSE認定 · 特許4件
かつて手術専門医として活躍し、非手術治療の可能性を追求するために転向。肩手術の限界を自身の経験から痛感し、プラチナムクリニックを設立。著書『肩の痛み 手術より運動』著者。