こんにちは。整形外科専門医のイ・ドンギュ院長です。 回旋筋腱板(ローテーターカフ)断裂がある場合、断裂の程度によって治療方針が異なります。 まず明確なことは、全層断裂(完全断裂)がある場合には、手術的治療を行うことが適切です。 回旋筋腱板は腱(筋肉と骨をつなぐ組織)であるため、一度断裂が生じると、時間の経過とともに断裂がどんどん拡大し、状態が悪化していきます。 そのため、完全に断裂した場合には、いかなる非手術的治療でも治療することが困難です。 では、完全断裂ではない部分断裂の場合はどのように治療するのでしょうか? ほとんどの場合、まず注射治療を行います。 注射治療とは、組織を修復・治癒させることができる治療を指します。 (鎮痛注射や抗炎症注射のことではありません。) プロロセラピー(増殖療法)など、患者さんがよくご存じの治療です。(使用する薬剤によって種類はさまざまあります。) このような治療は、腱の腱症(テノシス)が強い場合や断裂の程度が軽微な場合、小さな断裂の場合に適応となります。 しかし、このような治療を行っても断裂が改善しない場合や、すでに部分断裂がかなり進行している場合には、注射治療だけでは治癒しないことが多いです。 かといって手術的治療を行うには断裂の大きさや状態がもったいない(手術に踏み切るには惜しい)ケースが多く、このような状況が患者さんにとっても治療する医師にとっても最も難しい部分です。 むやみに注射治療を続けても予想される結果が確実ではなく、断裂がさらに進行して完全断裂になれば手術的治療をせざるを得ない状況になります。 患者さんも医師も、もどかしい思いをせざるを得ません。 患者さんは手術は嫌だ、かといって注射をしたからといって治るという保証もなく、痛みは続き、生活の質(QOL)は低下していきます。 医師は手術を勧めれば過剰診療になりかねず、すでに十分な注射治療を行ったため注射治療を続けても改善しないことは分かっている、そのため痛みを和らげるために鎮痛(抗炎症)注射で凌がせながら、最終的に断裂がさらに進行すれば手術的治療をせざるを得ません。 このような場合に有効な非手術的治療があります。 それが、骨髄刺激幹細胞再生術と縮小縫合術です。 詳細は以下のリンクをご確認ください。 骨髄刺激幹細胞再生術 https://blog.naver.com/9690067/222934136001
🔗 https://blog.naver.com/9690067/222934136001縮小縫合術 https://blog.naver.com/9690067/222961123101
🔗 https://blog.naver.com/9690067/222961123101説明よりも実際のケースをご紹介します。 ご紹介するのは、比較的若い30代男性のケースです。 積極的に運動をされている患者さんで、右肩の痛みで2年間にわたり複数の病院で注射治療を受けたとのことです。 試していない治療はないと言っても過言ではないとおっしゃりながら、私のところへいらっしゃいました。 治療をすると少し改善したように感じるものの、すぐにまた痛みが再発し、運動もできなくなって筋力もかなり低下し、好きな運動もできなくなり、ひどく落ち込んでおられました。 では、状態を見ていきましょう。

超音波画像では、回旋筋腱板は白く、やや線維状の構造が見えるのが正常所見です。 赤い円の中に矢印で示された部位を見ると、回旋筋腱板が黒く変化しており、所々に穴が開いたような空洞が観察されます。 このような部分断裂を治療するために複数の注射治療を受けたものの、改善が見られなかったケースです。 骨髄刺激幹細胞再生術と縮小縫合術を施行しました。

上の図で説明しているように、部分断裂した部位をターゲットとして特別に製作されたガイドを挿入し、それを通じて特別に製作されたドリルを用いて、断裂した回旋筋腱板の骨周囲に微細な孔(穿孔)を作成します。

骨髄刺激幹細胞再生術を行った後、断裂した回旋筋腱板内に特別に製作された縫合糸を挿入して固定し、縮小させる張力を加えることで回旋筋腱板断裂のサイズを縮小させて縫合する縮小縫合術を施行しました。 すべての処置は局所麻酔下で行われ、処置中に不安を感じないよう静脈麻酔(鎮静)も併用します。 処置時間は状態によって異なりますが、平均して20〜25分程度かかります。 このような処置を行った後、組織再生のための薬物療法も注射治療として並行して実施します。 組織が治癒するまでの期間は約12週間かかるため、この間はできる限り安静を保つことが望ましいです。 (日常生活に大きな支障が出るほどではなく、過度な運動や力を要する動作を控えるという程度です。) また、肩甲骨の安定化および機能回復のためのリハビリテーション運動は継続して行います。 約3か月後に超音波検査を再度施行しました。

処置前に見られた回旋筋腱板の断裂部位が白く再生されていることが確認されます。

比較して見ると、回旋筋腱板が治癒したことがより明確に観察されます。 患者さんは大変満足され、これから段階的に筋力強化およびリハビリ運動をさらに進めていくとおっしゃっています。 いくら組織的に治癒しても、機能的に回復していなければ、筋力が低下した状態のままであることと同じです。そのような場合、以前のスポーツ活動に復帰した際に二次的な損傷が生じる可能性があるため、リハビリテーションの重要性を患者さんに必ずお伝えするようにしています。 この記事をご覧の方も、ご自身や周囲の方で、手術を受けた・受けていないにかかわらず、病院では「もう大丈夫」と言われているのに、ご自身では違和感や痛みがある、以前より調子が悪いと感じているという場合は、リハビリテーションの面も必ずご検討ください。
回旋筋腱板断裂で治療を受けても改善しない場合 手術するには惜しい状態だからもう少し様子を見るよう言われた場合 回旋筋腱板部分断裂と診断され、治癒を希望される場合 骨髄刺激幹細胞再生術と縮小縫合術をご検討されることをお勧めします。

