65歳の男性患者で、数年来の膝関節痛を主訴に当院を受診された。 数年間にわたりヒアルロン酸注射および薬物療法、理学療法を施行されたが、現在はいかなる治療を行っても症状の改善が見られないため、当院を受診された。 理学的検査にてApleyの外旋テスト陽性所見を認め、内側関節裂隙に圧痛所見が認められた。
X線上、内側関節裂隙の狭小化が認められ、変形性関節症の所見も観察される。
理学的検査にて内側半月板の損傷が疑われ、正確な関節内の状態を確認するためMRI撮影を施行した。
内側半月板の中節から後節にかけての変性断裂が認められ、内側大腿骨軟骨の消失が観察される。
内側半月板断裂を認め、内側大腿骨軟骨の損傷(関節炎変化 grade IV)所見および軽度の内反変形を有する患者と判断された。患者の年齢が65歳とやや高齢と考えられるが、上記所見以外はほぼ正常と判断されたため、軸矯正術(近位矯正骨切り術)および軟骨形成術、半月板部分切除術を施行することとした。
関節鏡視下にて内側大腿骨軟骨の異常所見が認められ、これを除去し軟骨形成術を施行した。内側半月板の変性による複合断裂が認められたため、これを平滑化する部分切除術を施行した。
近位矯正骨切り術を施行した。
術後、力学的軸が内側からわずかに外側へ、非常に正確な位置に矯正されたことが確認された。
1年後、内側固定具抜去術および関節鏡視下手術を施行した。
右側の画像に示すように、新たな組織が再生するかのごとく、軟骨が完全に再生されていることが確認された。
高齢の患者であっても、正確に軸を矯正し適切に軟骨形成術を施行すれば、このように完璧な結果を得ることができる。 数日前、患者がお酒を召し上がった状態で(治療中はお酒はいけませんよ〜〜)来院され、感謝の挨拶をしてお帰りになったことが思い出される。

