54歳の女性患者で、右脚を引きずりながら当院を受診された。 3日前からの突然の疼痛、屈曲困難および歩行障害を主訴として来院された。 理学的検査にてApley外旋テスト陽性反応を示し、内側半月板損傷が疑われたため、X線およびMRI検査を施行した。
X線上に特記すべき所見はなく、スキャノグラム上でも力学的軸は良好に観察された。
画像矢印に示すように、内側半月板後角付着部の断裂が観察された。
画像矢印に示すように、内側半月板後角付着部の断裂が観察された。
画像矢印に示すように、内側半月板後角付着部の断裂が観察された。
内側大腿骨軟骨の損傷所見が観察された。
半月板の後角付着部が断裂した場合、当該半月板の機能が失われ、それによる二次的な軟骨損傷が生じ、変形性関節症へと急速に進行する可能性がある。 また、内側大腿骨軟骨の損傷がすでに生じていると判断されたため、手術的に半月板後角付着部断裂に対する縫合術および軟骨形成術を施行することとした。
手術模式図のように、エンドボタンを用いて内側半月板の後角付着部を縫合する方針とした。
内側半月板後角付着部の完全断裂が観察される。
断裂部位の損傷組織をシェーバーを用いて整理した後の状態である。
付着部位をキュレットを用いてデコルチケーション(骨皮質削除)を施行した後、縫合を行った。
脛骨に縫合糸を通すことができるようACLガイドを用いてトンネルを作成した後、縫合糸を通し、エンドボタンを用いて固定した。
術後X線上、上記のように正確な位置にトンネルが良好に作成されていることが確認される。
矢印に示すように、正常であれば白く滑らかであるべき軟骨が損傷されていることが確認される。
軟骨が良好に再生されるためには、軟骨下骨(サブコルテックス)まで損傷軟骨を除去する必要がある。
合計6か所のマイクロフラクチャー(微小骨折術)を施行した。
止血帯を減圧した後、各ホールから骨髄血が良好に滲出していることが確認される。
半月板断裂の際には、失われた機能を回復させることが二次的な関節炎の発生を防ぐことができる。 半月板後角付着部断裂に対する縫合術は非常に精密さを要求され、スペースの制約があるため、術技的に難易度の高い手術である。しかし、これを正確に手術することが原則であり、義務であると考える。

