家事をこなすことは言葉では簡単に聞こえますが、非常につらい労働です。 腕をよく使う主婦の方々は、肘のエルボー(肘関節障害)になりやすい状況に置かれています。 買い物の後に重い荷物を持ち運ぶとき、 フライパンで料理をする動作や雑巾を絞る動作などが 積み重なると肘に痛みが生じ、肘エルボーが発症することがあります。 今回は、二種類の肘エルボーの違いについてご説明します。

肘エルボーは二種類に分けられます。 ゴルフ肘とテニス肘とは、正確にはどのような疾患で、何が違うのでしょうか? 二つの疾患は似ているように見えますが、まったく異なる疾患です。

ゴルフ肘は、小指側、すなわち肘の内側の腱に炎症および微細断裂が生じることで発症する疾患です。 ゴルフをよく楽しまれる方に多く発生することからゴルフ肘という名称がつけられました。 実際には、ゴルフ肘の患者さんの大多数はゴルフとの関連性はほとんどなく、 主に30〜40代の主婦に多く発生します。 特に中年女性の場合、腕や手の筋力が男性より弱いため、 肘関節の損傷がより起こりやすくなっています。 これとは反対に、肘の外側に痛みを感じるのがテニス肘であり、 母指側、すなわち肘の外側に痛みが生じるものを指し、 正式な病名は上腕骨外側上顆炎といいます。 手や手首を伸展させる筋肉と関連しており、手首を背屈させると痛みがさらに強くなります。

上腕骨外側上顆炎がテニス肘という名称で呼ばれる理由を調べると、 以前テニスをよく楽しんでいた方々に多く発生したためです。 テニスのバックハンド動作で手首を多く使い、過使用によって 肘の痛みを引き起こすことからテニス肘という名称がつけられました。 すなわち、ゴルフ肘とテニス肘を区別するためには、 手のひらを上に向けて重い物を持ったときに 肘の内側が痛む場合はゴルフ肘、手のひらを下に向けて物を持ったときに 外側に痛みを感じる場合はテニス肘が疑われます。 ゴルフ肘とテニス肘は、大きな衝撃を受けて生じるものではなく、 小さな衝撃を繰り返し受けることでストレスが蓄積し、炎症や微細断裂が発生するものです。 手首の過度な使用や衝撃によって筋肉の末端にある腱に炎症が生じて肘の痛みが引き起こされ、 これを放置すると、炎症物質によって弱くなった腱に微細な損傷が生じることになります。

前述のように主婦に多く発生しますが、 主婦だけでなく、パソコンを多く使用する 会社員、パイプや刃物類を多く使う職種の従事者、スポーツ選手などにも 多く見られ、肘関節損傷につながることもあります。 肘エルボーのゴルフ肘とテニス肘には明確な違いがありますが、 最終的に肘エルボーの治療法は同様の方針で進めることになります。 薬物療法で痛みを軽減し、体外衝撃波療法によって 炎症部位に血流刺激を与え、新生血管の形成を促すことで 組織の治癒を促進させます。

ゴルフ肘とテニス肘の発症原因である筋肉の過使用を防ぐために、サポーターで前腕の筋肉を固定し、 腱膜の緊張をほぐし、肘靱帯への過負荷を防ぐことも治療の一つです。 痛みが非常に強い場合は、ステロイド注射で炎症病変を抑制することもあります。 ただし、急性の激しい痛みの場合にのみ、限定的に注射を行うべきです。 ゴルフ肘とテニス肘を日頃から予防するためには、 関連部位の過使用を避けることが最も重要です。 また、痛みが生じた場合は、早期にすぐ安静を取ることが大切です。 日頃から継続的に前腕のストレッチを行うことが効果的です。

