こんにちは。整形外科専門医の이동규(イ・ドンギュ)院長です。 肩、肩甲部などの部位に筋肉痛が生じて病院を受診したにもかかわらず、 構造上に特別な異常はないと言われた方は、 筋膜疼痛症候群を疑うことができます。 筋膜疼痛症候群の別名は筋膜性疼痛症候群とも呼ばれており、 筋膜疼痛症候群の発症部位は肩の筋肉痛以外にも、全身のあらゆる筋肉に生じる可能性があります。 頭皮の疼痛よりも、肩や頸部に肩の筋肉痛を主に引き起こし、 これらの症状が悪化した場合、頸部筋肉に沿ってこわばり、後頭部が引っ張られるような症状まで現れることがあります。
筋膜疼痛症候群が発生する原因は、筋肉を包んでいる 薄い膜である筋膜に大小のストレスが加わることで、 筋肉が過度に緊張し、重篤な場合は損傷まで引き起こし、 筋細胞内のカルシウム濃度調節に異常が生じることから始まります。 筋肉の一部が持続的に収縮すると代謝産物が増加し、 その結果、筋肉周囲の血管が圧迫されて血流低下が生じます。 一般的な筋肉痛は筋肉が過度に使われることで乳酸が蓄積して発生するのに対し、 筋膜疼痛症候群は筋肉がストレスを受けて緊張したり、長時間同じ姿勢を 反復してとることで筋肉が繰り返し収縮し、タウトバンドと呼ばれる筋肉を包む筋膜に 硬い帯を形成させ、そのタウトバンド内に疼痛を引き起こす 筋筋膜トリガーポイントが活性化されることで発生します。 一般的な原因としては、持続的に不良姿勢をとったり筋肉の反復的な動作により 血液循環が円滑に行われなくなり、それによって筋肉が過度に収縮して疼痛を 引き起こすと報告されています。
不良姿勢以外にも肩の筋肉痛を引き起こす原因は、 慢性的なストレス、運動不足、甲状腺機能低下、ビタミン欠乏、 交通事故のように瞬間的に生じた筋肉の緊張が持続する場合など、さまざまです。 筋膜疼痛症候群の症状は、通常、筋肉の深部に疼くような肩の筋肉痛です。 寒い日や曇りの日には気圧の影響を受け、肩の筋肉痛はさらに悪化することがあります。 五十肩のように肩が十分に挙上できなくなったり、肩関節の可動域制限が生じることもあります。 筋肉のストレスにより好発する疾患であるため、筋肉がわずかな圧力でも容易に硬直し、筋力が低下します。 頭部を支えている頸部・肩周囲の筋肉が引っ張られ、集中力が低下します。 筋膜疼痛症候群が重篤な場合、涙・鼻水などの分泌物が増加することもあります。 頸部周囲の筋肉への過度なストレスにより、重篤な頭痛および眩暈、耳鳴り、眼精疲労なども 筋膜疼痛症候群の症状に該当します。 肩の筋肉痛を引き起こす筋膜疼痛症候群の診断は、患者が感じる症状から推察することが可能です。 むしろ最先端の画像機器であるMRIやX線、CT、超音波などの検査を施行しても 筋膜疼痛症候群を判別することは困難です。 肩の筋肉痛のような症状が現れた場合は、専門医の診察を通じて疼痛を引き起こしている部位を特定し、 治療を行う必要があります。
筋膜疼痛症候群の治療は症状に応じて異なります。 肩の筋肉痛などの症状が軽度の場合は、筋肉にストレスがかからないよう 簡単な安静やマッサージによって筋肉の過度な緊張をやわらかく弛緩させるだけでも、 肩の筋肉痛などの症状が容易に改善することがあります。 消炎鎮痛薬や筋弛緩薬を服用することもあり、 基本的な理学療法を施行して筋肉層の疲労を解消することも有効です。 理学療法の目的としては、温湿布を疼痛誘発部位に当てたり、 レーザーや赤外線治療機器を用いて疼痛部位に温熱を照射することで筋肉の弛緩を促進させることができます。
しかし症状がすでに重症である場合は、生理食塩水と局所麻酔薬・ステロイド注射液を混合して 疼痛を引き起こしている部位に注射するトリガーポイント注射療法も施行することができます。 迅速かつ劇的な症状改善のためには、専門セラピストによる 徒手療法も考慮することができます。 筋膜疼痛症候群が生じる原因の中で最も大きな要因が姿勢的な問題であるため、 不良姿勢による筋肉の持続的な収縮と過度な弛緩によって筋肉自体の血液循環が制限されている点を 徒手療法でしっかりと解消するだけでも、疼痛は軽減されるでしょう。 結局、筋膜疼痛症候群の治療の核心は疼痛緩和です。 そして再発しないよう、正しい姿勢がとれるようにガイドラインを提示することです。 姿勢の矯正や筋肉を弛緩・収縮させる筋肉のバランスを整えることができる 徒手療法およびリハビリ運動療法が非常に重要です。 治療中には筋膜疼痛症候群の予防法もあらかじめ把握しておくことをお勧めします。 筋肉のストレッチと運動を習慣化し、できる限り日常生活において過度なストレスを避けることが大切です。 長時間同じ姿勢を維持しなければならない仕事をしている場合は、定期的に休憩時間を設け、 肩・頸部の筋肉をほぐすことが予防法の一つです。
筋膜疼痛症候群の疼痛を引き起こす姿勢は、当然避けることが望ましいです。 自分の体にストレスをもたらす原因を把握し、対処する方法も必ず必要です。 筋肉を緊張させる最大の原因は、まさにストレスです。 私たちの体は外部からストレスを受けると、 自分の体を守るために自然と過度に緊張してしまいます。 ストレスの形態が身体的であれ精神的であれ、体がストレスを受けないよう 常に前向きな気持ちで生活することが大切です。

