石灰性腱炎は非常に痛みの強い疾患です。 ほとんどの場合、回旋筋腱板内に発生することが多いです。腱に発生すると、その腱を動かすたびに激しい痛みを引き起こします。 では、このような石灰性腱炎が腱ではなく別の部位に発生した場合はどうでしょうか? 今回のケースは43歳の女性患者で、普段からフィットネスモデルとして大会にも出場するほど活発に運動されている方です。 2年前から肩の痛みが生じ、肩の後方および肩甲骨周囲に強い痛みがあった方です。 症状は頸椎椎間板ヘルニアによる関連痛のようにも見え、胸郭出口症候群のようにも見えました。 患者は他院で頸部・肩のMRIまで撮影しましたが、特定の診断は得られず、頸椎の問題と思われるという説明を受け、注射治療および徒手療法のみを受けてこられた方でした。 しかし症状の改善が見られず、徐々に痛みが増強し筋力も低下してきたため、当院を受診されました。 まず身体診察を行いました。 特に身体診察上、顕著な所見は見られませんでしたが、bicepsロードテスト、O'Brienテスト、外旋テストが陽性所見を示しました。 すなわち、関節唇病変が疑われる所見でした。 お持ちいただいた画像資料を確認してみましょう。




頸椎のX線およびMRIも確認しましたが、特異所見はありませんでした。 つまりこの患者は、やや特異な位置に石灰が沈着して肩の痛みを引き起こしており、その位置が肩甲上神経に近い部位で炎症を起こしていたため、頸椎の問題と誤診され、適切な治療を受けられていなかったケースと判断されます。 位置的にNeepling(石灰破砕吸引術)を施行できない部位であり、上関節唇損傷に対する治療を同時に行うため、手術的治療を選択しました。







患者は術後、以前感じていた痛みが解消されたと大変満足されていました。 痛みのために好きだった運動もできなくなり、うつ状態にもなったとつらそうに当院を受診されていましたが、今ではリハビリを頑張って再び運動できると喜んでいただき、大変感謝してくださいました。 世の中に全く同じ病気はありません。だからこそ、患者の話をよく聞き、丁寧に診察することが重要です。 単に画像資料だけで患者の病気を診断してはならないと考えます。 患者の症状を正確に聴取し、身体診察を通じて症状を確認し、画像資料と合わせて総合的に判断することが必要です。

