肩の腱板断裂はどのように治療すべきか?

2019. 6. 27.

肩の腱板断裂はどのように治療すべきか?


肩腱板断裂において、部分断裂の場合は保存的治療を行います。 部分断裂のサイズや状態によって異なりますが、断裂が小さく関節面側(関節内側)の断裂である場合は、保存的治療で良好な結果が得られることがあります。 保存的治療としては、炎症および疼痛を軽減する薬物療法・注射療法があり、靭帯を直接刺激して治療するプロロセラピー(増殖療法)があります。また、間接的に肩腱板断裂周囲の血流量を増加させ、組織を刺激する体外衝撃波治療も行うことができます。 そのほか、断裂した腱板への負荷を軽減しながら、周囲の筋肉および靭帯の強化と機能回復を図るリハビリテーションも非常に重要です。 患者さんから「断裂がある場合、保存的治療では治癒できないのではないですか?」というご質問をいただくことがあります。 もちろん、断裂のサイズや状態によっては、直ちに手術的治療が必要な場合もあります。 しかし、保存的治療で十分に治療できるケースもあり、これを適切に鑑別して保存的治療を行うか手術的治療を行うかを判断することが、患者・医師の双方にとって時間と労力の節約につながると考えます。 本日ご紹介するケースは、4ヶ月前にジムでのトレーニング中に疼痛が生じ、当初は安静にしていたものの、徐々に疼痛が悪化したため他院を受診し、棘上筋の断裂と診断されて手術的治療が必要と言われ、当院を受診された患者様です。 まず理学的検査により棘上筋に問題があることを確認し(empty can test陽性)、精密診断のためX線検査を行いましたが、大きな異常は認められませんでした。

X線では正常所見が認められます。 次に超音波検査にて問題を確認しました。

超音波にて正常な棘上筋部位を観察しました。丸い点線内に正常な棘上筋の形態が確認されます。

棘上筋部位を詳細に観察したところ、部分的に損傷した肩腱板断裂を確認することができました。 靭帯全体の形態は保たれており、関節内側または実質内の部分断裂と考えられます。 棘上筋の断面部位を再度超音波で確認しました。

黄色い丸い点線で示された部位が肩腱板断裂の生じた部位で、軽度の炎症所見は認められるものの、概ね正常所見が観察されます。

棘上筋の遠位部に超音波プローブを移動させると、約1.21cmの部分断裂が確認されます。 上記の状態を総合的に判断した結果、断裂サイズは約1.21cmですが、関節内側の断裂であり、靭帯全体の状態は良好と判断されたため、手術的治療よりも保存的治療で損傷した肩腱板断裂を治療できると判断しました。

靭帯増殖注射(プロロセラピー)を施行し、PDRN製剤およびコラーゲン成分製剤を使用して計5回の治療を行いました。 上記の超音波画像に示すように、靭帯内側に治療薬剤を投与し、適切な注射刺激により組織の治癒を促進させます。

また、靭帯内だけでなく、靭帯外側の腱鞘・滑液包にも薬剤を投与することで、周囲組織の治癒および強化を促すことができます。これと同時に体外衝撃波治療を併用したところ、患者の肩腱板断裂が速やかに改善していることが確認できました。 治療後に施行した超音波画像を確認します。

丸い黄色い点線内の棘上筋を見ると、肩腱板断裂部位が十分に治癒していることが確認できます。 患者様も疼痛なくすべての活動が可能となったため、治療を終了しました。 肩腱板断裂に対しては保存的治療と手術的治療のいずれも選択できますが、ここで重要なのは、どのケースを保存的に治療し、どのケースを手術的に治療すべきかを正確に鑑別したうえで治療に臨むことです。 手術が必要なケースに保存的治療を行えば時間と費用の無駄が生じる可能性があり、保存的治療で十分なケースに手術的治療を行えば、不必要に身体に傷を残すだけになってしまうからです。

イ・ドンギュ院長

イ・ドンギュ院長

整形外科医 · プラチナムクリニック

肩・膝の手術および非手術治療

プラチナムクリニック整形外科

ソウル 江南区 新沙洞 · イ・ドンギュ院長

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