最近、ジムで筋肉を鍛えるためにウェイトトレーニングを楽しむ方が増えています。 その中で、ハードなトレーニングルーティンや無理な運動量による怪我で肩の痛みを訴える方も頻繁に見られます。 特に運動が好きな男性がベンチプレスのような胸部の筋力トレーニングを繰り返し行う場合、 肩に相当な負荷がかかり、肩の損傷を引き起こしやすくなります。 主に肩の痛みを引き起こす運動は、野球、ディップス、ベンチプレス、懸垂などです。 「コリアンモンスター」と呼ばれるリュ・ヒョンジン選手の過去の肩の怪我を覚えていますか? トレーニングルーティンで注意すべき肩の痛みを引き起こす肩関節唇断裂は、 リュ・ヒョンジン選手のように肩を酷使するアスリートに多く発生しやすい疾患です。 アスリートだけでなく、運動を楽しむ文化が発展するにつれて、 選手ではない若い世代のトレーニング愛好者にも多く発症するようになっています。 外傷や突然の肩部への衝撃によって生じることもありますが、 継続的なストレスが微細な損傷を生み出し、それが蓄積されて発症することもあります。
前方に転倒した際に手を誤ってついたり、ボールを頭上高く掲げて短時間で素早く投げる動作、 ボールだけでなくテニスやバドミントンのラケットを肩の上に持ち上げて打つ動作でも 肩関節唇断裂が生じます。 関節唇とは、肩関節の周囲を取り囲む軟骨組織です。 円形のリング状をしており、肩から上腕骨が逸脱しないように 安定した位置を保つためのバンパーの役割を果たします。 肩関節の安定性において非常に重要な構造物が、まさにこの関節唇です。 この関節唇の上部前後が断裂または損傷した場合を、肩関節唇断裂と呼びます。 肩関節唇断裂が起きると、実際には病変の初期に強い痛みを生じないケースがほとんどです。 しかし肩関節唇断裂が発生すると、断裂部位に炎症性物質が生じ、 炎症が長期間持続することで肩の痛みが引き起こされます。 その後、腕を上に挙げたり後方に反らしたりする肩の可動域に制限が生じることもあります。 主に日常生活では、衣服の着脱や整髪の際、 洗髪の際などに肩の痛みが生じ、運動時には腕立て伏せ、懸垂、投球、ベンチプレスなどの 筋力トレーニングで肩の痛みが誘発されます。 肩の痛みのほかにも、肩から音がしたりこわばる症状も伴います。 肩関節唇断裂が起きると、断裂部位から関節液が漏れ出し、関節内に嚢胞(ガングリオン)が形成されることもあります。 嚢胞の大きさが大きくなると、肩甲上神経を圧迫し、腕をはじめ肩甲骨付近にしびれの症状が 現れることもあります。神経圧迫が長時間持続すると筋萎縮および筋力低下が生じ、 頸椎椎間板ヘルニアと誤認されることがあるため、 病変の症状が現れた際には正確な検査を通じて病変を鑑別することが重要です。 肩関節唇断裂の症状は曖昧で、肩の強い痛みが生じることは 稀であるため、ほとんどの場合は大したことではないと軽く考えて見過ごしやすいです。 精密な肩の動きを要するプロ選手でない限り、 わずかな損傷がある場合は一般の方は気づきにくく、 繰り返しの動作によって損傷が深まり痛みが生じてから病院を受診するケースが多いです。 肩の痛みで病院を受診すると、医師は問診を通じて病変を推測した後、 理学的検査によって肩関節唇断裂の疑いを判断し、MRI撮影を行います。 関節唇の位置は超音波が透過できない上腕骨の後方部に位置しているため、 超音波では肩関節唇断裂の正確な診断ができないことから、肩のMRI撮影が行われます。
MRIで肩関節唇断裂が診断された場合は、当然治療を開始する必要があります。 通常は断裂のパターンや位置によってタイプが分類され、タイプによって治療法も異なります。 肩関節唇断裂は手術しなくても良い疾患だとお考えの方もいらっしゃるでしょう。 もちろん、ある程度その通りとも言えます。 肩関節唇断裂の程度が一定以下であれば、手術的治療ではなく 保存的治療でも肩の痛みが軽減し、十分に改善することができます。 基本的に肩関節唇断裂で手術的治療が不要となるのは、 軽微な損傷であるSLAP病変1型に該当する場合です。 この際は、適切な注射療法とリハビリ運動療法によって日常生活への復帰を目指した治療が可能です。 肩関節唇断裂の手術を検討する際は、 断裂のパターンと程度、患者の年齢と職業、環境、患者が訴える肩の痛みの程度と不安定性の有無、 患者のスポーツ活動および日常生活の活動性など、すべての事項を総合して決定します。
先述の通り、ごく軽度の肩関節唇断裂であればリハビリ運動のみでも 十分に経過が改善する可能性がありますが、SLAP病変2型以上になると腕を使うたびに 継続的に刺激を受けて損傷せざるを得ないため、SLAP手術を行う方が望ましいです。 それでは、SLAP手術によって損傷した構造物を元の位置に修復したのだから 治療はすべて完了したのでしょうか? 私たちの体は、手術さえすれば修理の済んだ機械のように正常に機能する仕組みではありません。 肩関節は360度自由に動かなければならない関節であり、そのためには 解剖学的修復だけでなく、筋肉と回旋筋腱板のバランスが非常に重要です。 すでに手術でストレスを受けた部位と再建された部位を正しく使えるように訓練するプロセスが必要です。それがまさにリハビリ運動療法です。 軽度の肩関節唇断裂であれば手術なしに治療が可能ですが、長期間にわたって保存的治療を行った場合や、 すでに肩関節唇断裂の程度が一定の水準を超えている場合は、手術によって解剖学的機能を修復し、 リハビリ運動療法を通じて再び正常な肩の機能を取り戻せるよう努めることが必要です。

